2014年3月18日火曜日

日本文化に浸る週末

オスカー無事終了と言うことで、大阪に行って参りました。

大阪市役所らしい


目的はこれ、春場所観戦!!!



オスカーほどではないけれど、スポーツ観戦大好きです。
特に相撲は、子供の頃から大好き。今回は、勢と遠藤の活躍を楽しみに、数ヶ月前からチケットを取って、わざわざ大阪まで遠征してまいりました。

幕内土俵入り

相撲の結果は、特に番狂わせもなく、両横綱も遠藤も勢もその時までは全勝だった大砂嵐も勝ち、まあ楽しかったけどもうちょっとドラマが欲しかった結果に終わり。

その後、夜ごはんをどこで食べるか迷った挙句、友達に教わった天満と言う地区に行き、焼肉を頂くことにいたしました。

行列のできる店「肉五郎」運よく入れました

旅行先で食べるものは美味しくなくちゃ嫌!ということで、行く前に何人かにヒアリングをし、「大阪で焼肉を食べるならホルモンだよ」と言う意見を多く頂いたので、通常あんまりホルモン得意じゃないんだけど、挑戦することに。何を頼んで良いのか分からないので、ホルモン盛りなるものを頼みました。5種類くらいの部位が盛られて一皿980円。食べたら美味しい!!これにハラミ2人前と、サワー2杯×二人分と、サラダ2種類、キムチを頼んだらもうお腹いっぱい。大満足でお会計をすると、全部で5400円でした。

全部で5400円だよ!一人分じゃないよ!

大阪の懐の深さを感じつつ、友達からの「天満は一軒でやめてはいけない。かならず数件ははしごすること」と言う言葉を思い出し、お向かいにあるお寿司屋さんで数貫つまみながらお酒を飲んで次の動きを決めることに。〆の一品は食べてこなかったからね。お腹一杯だけど、ご飯ものちょっとなら入るでしょう。

ところが、お寿司屋さんに行くと、今日は仕入れを間違えて、もうネタとシャリが終わってしまったという。大してお腹がすいていなかった私たちは、じゃあちょっとしたおつまみだけ頂きますと言い、焼酎を注文して居座ることに。

これが長い夜の始まりだった。。。

大阪は、皆さん気さくで話しやすい。「どこから来たの?」から始まり、隣に座っていたおばさんとすっかり仲良くなった時には、私たちも焼酎3杯くらい飲んでいたかな。そのうち、お店のお母さんがサービスでいろんな品を出してくれて、すっかりそこに居ついてしまいました。そこのお母さんは栃木出身、最初に話しかけてきたおばさんも長崎出身で、土地の人じゃなかったのをいいことに、話はどんどん文化の違いや昔の苦労話へと発展し。その頃には私と友人はすっかり出来あがってしまっておりました。

そこへ、おばさんの旦那さん、個人タクシーを運転する、ちゃきちゃきの大阪人のおじさんが参加し、もう完全に新橋の飲み屋ムードに。おじさんどんどんいろんなものを注文し、食べろ食べろと勧めるもんだから、私たちお腹いっぱいなの忘れて結局沢山食べちゃいました。

手作りクワイチップス。絶品!

牡蠣バター

牡蠣フライ

のど黒の煮つけ

二人の馴れ初めから、方言の指導まで、いろんなことを話してすごく楽しい夜を過ごしたのだけど、ひとつとっても印象的だったこと。それは、65歳のおじさんに、「今ホルモン食べてきたんだ~。美味しかった!」と言った時のこと。ホルモン=大阪名物と思っていた私に彼は、「ホルモンなんて、食べもんやない。放るもんや。俺らの年代は、肉と言ったら牛肉しか食べへん」と言ったのです。根深い歴史が潜むその発言に、大阪の、全然違う一面を垣間見た気がしました。おじさんすごく良い人で、そのあと私たちをホテルまで送ってくれて、本当に楽しいひと時を過ごしたからこそ、なんだかすごく複雑な気持ちになる一言で。これが現実なんだろうなあ。

結局この店のお会計は8200円。ほとんど食べ物注文してない二軒目が一軒目よりだいぶ高いって、どんだけ飲んだんだって話ですが(注:上の写真はすべてお隣さんからのおすそ分けなので、払ってません)、翌朝起きると頭は痛いわ気持ち悪いわで、結局何も出来ぬまま、新幹線に乗って帰京しました。

いろいろと勉強になり、楽しかった大阪旅行。また行こうっと。

2014年3月10日月曜日

「アメリカンハッスルよりも、ジェットスターのことについて書きたい」と言う題材を1ヶ月放置してました

概要:2月3週目、アメリカンハッスルについてブログを書こうと思ったものの、作品があまり刺さらず、加えてその週末に体験したLCCが強烈な印象を残したため、急遽そっちについて書いたのだが文章がまとまらずに今まで公開出来なかった、と言うもの。遅ればせながら公開させていただきます。↓↓↓

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さて、全然話は変わりますが、先週末(注:2月14日)の雪はすごかったですね。
私は月曜日お休みを取り、土曜日から2泊3日でニセコにスキーに行く予定を年末から入れており、それはそれは楽しみにしていたわけですが。。。土曜日の羽田、国内便はほとんどキャンセル。除雪作業が間に合わないとかで、夜までほとんど機能しなかったようです。

私の便は午前10時で、もう早朝から欠航のお知らせが来ていたわけですが、なんとか振替便に乗れないかと羽田空港に向かいました。前日の雪の上に大雨が降り、UGGが水につかって変色するくらいの悪質な道路環境の中、いつもの倍くらいの時間をかけ、モノレールに乗り継いで羽田に向かったわけです。

羽田に着くと、ロビーは人であふれかえっていて、変更希望の列には大袈裟ではなく100人以上並んでいる状態。その上、搭乗手続きは中止されていて、午後の便もどれくらい欠航になるか分かりませんとか放送している。こりゃあ埒が明かん、と、あきらめかけたその時、閃いたのです。成田はどうなんだろう?と。

と言うのも、たまたま前日、同僚との会話で、LCCが参入したことで最近は成田から国内線に乗る人が増えている、でも成田に行くのに時間もお金もかかるから、結局羽田の方がいいんじゃないの?なんてことがたまたま出てて、軽く1時間くらい、LCCについてのやりとりがひとしきりあったんです。そこで思ったの。成田で飛行機が飛んでるなら、今持ってるチケット返金してもらって、LCCで取り直して行く方法があるのではないかと。グーグル検索で「LCC 成田 千歳」と入れると、すぐにジェットスターと言う会社の名前が出てきました。調べると、一日4便飛んでいる。そして席も空いている。片道何と9900円!早速私は、羽田空港の片隅でiphone からチケットを予約し、成田へ向かうことにしました。
Yes, Jetstar!

なんせ初めて使うLCC。勝手がわからないが失敗するわけには行かない私は、しっかりホームページを読み、一つ一つ確認しながら進んだのですが、この激安LCC、何につけてもお金を取るんです!!!まず、座席指定のページに進むと一番後ろの真ん中の席でも450円と書いてある。一番前の席だと200円アップ。非常口の席だと400円アップ。その次のページに行くと、荷物を預ける場合は20キロまで1500円と書いてある。私の荷物は小さいので、「預けない」をチェックして次のページに進もうとしたところ、「予約時に申し込まず、カウンターで申し込むと高額を請求することになります」と、ものすごい勢いで脅してくる。でもその場合にいくらアップなのかは書いてない。

すごいな~と思いながら、30分前までに搭乗手続きをしないと絶対乗れませんと言う、これまた脅しにも似た注意書きに促されて、1時間半前に空港についた私。カウンターは成田の奥の方の行ったことのないエリアにあり、これ以上ないくらい簡素化された雰囲気。スタッフの制服もなんとなく質素(←偏見)、JAL/ANAのように髪型や色に統一性もなく、なんとなく大きな違いを体感しながらゲートへと進みました。

 

ゲートから飛行機は、もちろんバス。いちいちJAL/ANAとの差を見せつけられながら搭乗してみると、確かに質素だけど、別にシートは全然問題ない。飲み物なんかも全部有料なので何も頼まなかったけど、1時間半だし、別に飲み物要らないし。その上ちょっと感心したのは、CAの皆さんが、JAL/ANAとは比べ物にならないほど英語が上手だったこと。後から分かったけど、ジェットスターってオーストラリアの航空会社らしい。

結果的に、LCCは非常に合理的で優秀で、国内旅行をするくらいなら、何の遜色もないエアラインであるとの結論が、私の中に生まれました。成田に行くのが苦にならない人は、ぜひともトライすべき。加えて私が感動したのは、成田空港には雪ひとつなく、朝から飛行機が飛んでいたことでした。さすが歴史のある国際空港。搭乗ゲートのテレビでは、羽田の便がいまだに飛んでおらず、インタビューされたおじさんが「明日は息子の結婚式だから、なんとか今日中に向こうに着きたい」と嘆いておりました。ああ、ジェットスターを教えてあげたい。羽田空港はもうちょっと頑張りなさい。

2月15日午後5時の成田空港滑走路。雪なんて、跡形もない。


2014年3月8日土曜日

オスカーを「獲る作品」と「獲るべき作品」

昨日、ジェーン・スーさんの番組にお邪魔して、このブログを紹介して頂いたところ、ものすごい勢いでアクセス数が増えました。今まで内輪の4人しか読んでいなかったため、かなり乱暴に使っていた表現等を訂正。問題発言気をつけないと。

さて、毎年オスカーシーズンになると、個人的に「これが獲ると良いな」と思う作品が沢山出てきます。アメリカの映画サイトとか情報誌とかでは、12月くらいからオスカー予想が盛んになってくるんだけど、たいていの予想にはwill win とshould win と言う二つの答えが載ります。will win は、「これが獲る」と言う作品。should win は「これが獲るべき」。主演女優賞で例えると、Will win: ケイト・ブランシェット、Should win: エイミー・アダムス、と言った具合に書かれます。

ところが、自分が「この人が獲るべきだし、獲るに違いない!」と思っている人がノミネートされないと、とたんにこの予想はwill にしてもshouldにしても真っ白になっちゃって誰に入れて良いか分からなくなる。私にとって、今回そういう状況だったのが、長編ドキュメンタリー部門でした。

結果的に受賞したのは「バックコーラスの女神たち」。でも、12月の段階で私が絶対的に信じていたのはサラ・ポーリー監督の STORIES WE TELL と言う作品でした。


女優であり、本作の監督であるポーリーが、自分の家族と出生の秘密について知るために、両親の歴史をひも解くと、思いもよらない事実に辿り着く。ノンフィクションとは思えないような物語はかなり衝撃的な展開をみせます。自分自身の話を、第三者的に淡々と追及する反面、彼女の目線は両親に対する愛に溢れていて、胸が熱くなります。

↓ 今調べたら、山形映画祭ってところで去年やったみたい。

http://www.yidff.jp/2013/ic/13ic12.html

数々の批評家協会賞を始め、ほとんどの主要ドキュメンタリー賞を総なめにしたこの作品が、何の間違いかアカデミー賞にノミネートされなかったことは、トム・ハンクスやエマ・トンプソンがノミネートされなかったことよりもサプライズ中のサプライズ。その時点でドキュメンタリー部門は、当てる自信がなくなりました。

アカデミー賞は、作品が良い、と言うだけでは勝ち取ることのできない賞です。誰が、どの時期に、どういうパターンで全米公開するか、誰がこの作品を作っているか、どのくらいの人たちが見ているか、すべての要素が揃った上で、作品が佳作だった時初めて、ノミネートされる最後の5本に残ることが出来、最終的に受賞することが出来るのです。今回この作品は、Roadside Attractions と言う会社が配給しましたが、オスカーにノミネートされるには弱かった。ワインスタインが配給してたら、ノミネートを逃すなんて失態はあり得なかっただろうと悔やまれます。

にしてもこの映画、日本の配給がついたって言う噂聞かないんだけど、誰か買ってくれないかな。

2014年3月4日火曜日

歴史を変えるオスカーに感じること

オスカーから(それでも)一夜明け、今回はいろいろと思うところあるオスカーだな~と感じたので、忘れる前に書きとめておくことにします。

まず、何と言っても感慨深いのは、アカデミー会員の94%が白人のこの賞が、86回目にして初めて、黒人監督の作品に作品賞を与えるところまで来たこと。オスカーファンの常識として、最初に学ぶことのひとつは、黒人で史上初めて賞を獲ったのは、「風と共に去りぬ」のマミー役、ハティー・マクダニエルと言うこと。その後、シドニー・ポワティエ、ルイス・ゴセットJr.が賞を獲り、私がリアルタイムで受賞を見た初めての黒人俳優は89年度のデンゼル・ワシントン(「グローリー」)でした。デンゼル・ワシントンが演じた役柄は、南北戦争で南部のために戦った黒人兵の役。ご存じ南部は、奴隷制度を守るために北部と戦争をしたようなもので、それの犠牲になって前線で戦った黒人部隊を描いた作品でした。

エドワード・ズウィック監督作品「グローリー」

 

この年は、スパイク・リーが、「ドゥ・ザ・ライト・シング」で黒人として初めてオリジナル脚本賞にノミネートされた年でもあり、でもこの作品は作品賞にノミネートされず、授賞式では何かの賞のプレゼンターとして出てきたキム・ベーシンガーが「一番大事な映画がノミネートされてない」と不服を言った光景を、まざまざと覚えています。ほぼ四半世紀前の話。


こちらがスパイク・リー
私はこの人が、最初の黒人オスカー監督になると思ってた

この2年後、またまた若手の黒人監督、ジョン・シングルトンが「ボーイズンザフッド」で史上初めて監督賞にノミネートされます。結局そのあと、黒人監督の映画が作品賞を獲るまで実に22年。(監督賞はまだいない。)ケネディ没後50年。アメリカのさまざまな業界を考えても、特に白人優越主義のハリウッドが変わるまでにかかった年月は、なんて長いものなんだろうと、つくづく感じました。

デンゼルが初受賞したすぐ後、翌年にはウーピー・ゴールドバーグが「ゴースト」と言う作品で助演女優賞を受賞します。デンゼルにしろ、ウーピーにしろ、あの頃の彼らのスピーチは本当に胸に響く内容で、彼らはアフリカ系アメリカ人と言う人種全体を背負って受賞している意識がすごくありました。黒人女優として史上初めて主演女優賞を受賞するハル・ベリーが受賞した頃くらいまで、そんな風潮があったかな。その頃から、2000年代に入るとほぼ必ずノミネートの中に数人は黒人が入るようになってきて、受賞も珍しいことではなくなり、次第にスピーチの内容は、90年代の人種を背負っているそれではなく、俳優としての喜びを表すようになりました。肌の色は関係なく、実績で評価される時代になったという証拠でしょう。

前出のウーピー・ゴールドバーグは、受賞する前にも1度、主演女優賞にノミネートされています。1985年のスティーブン・スピルバーグ監督作品「カラーパープル」です。「それでも夜は明ける」と同じ南部の奴隷制度について描いたこの名作は、その年最多の11部門ノミネートされ、無冠でその夜を終え、それは今日まで、無冠で終わったノミネーション数の記録として残っています。

2014年3月3日月曜日

とりあえず、ハリウッドの夜は明けた

今年も終わってしまいましたアカデミー賞。皆さんは何部門当たりましたか?って、真剣に予想をしている人なんて、そう沢山はいませんね。私は17部門でした。(全予想は昨日のエントリーor 下記写真を参照だけど、ギリギリ今朝になって主題歌だけLet It go に変えました)。24部門中17部門と言うのはかなり順当に当たった年と言うことになるのだけれど、争う相手は19部門当たったので、勝負は負けです。近々ディナーおごらないと。

予想表。ハイライトされてるのが私のピック。
横についてる丸印が、実際に受賞した作品。

今年は本当にサプライズが少なく、大本命と言われていた「それでも夜は明ける」が作品賞。いろんな意味で時代を感じます。まず、黒人監督作品の作品賞受賞は初めて。20年前には考えられなかったことだから、やっぱり感慨深いものはあります。監督賞はメキシコ人のアルフォンソ・キュアロンだったけど、これも初めて。爺さん婆さんが牛耳ってると言われてきたアカデミーも、変革を遂げてるというのは嬉しいことです。最多受賞は「ゼロ・グラヴィティ」なのに作品賞は3部門しか受賞してない「それでも夜は明ける」。作品賞は最多受賞作に行く、という法則が2年連続で崩れました。もう来年からは、予想の仕方を変えないといけないわ。
 
私たちアカデミーマニアにとって、有給休暇を取ってまで鑑賞するアカデミー賞の醍醐味は、「サプライズ」にあります。鉄板と言われている作品が獲らないで、獲らないよね?と思ってたダークホースが最後の最後で賞をさらう。ほかの4人は全員受賞歴のある名優の中、一人だけ初ノミネートだった11年前のエイドリアン・ブロディ(「戦場のピアニスト」)がそうでした。鉄板と思われる本命はいなかったけど、ほとんどの人はこのニューフェイスに賭けていない中での受賞。それがあると、その場は一気に盛り上がり、ああ、オスカーってなんて楽しいの?!という雰囲気に包まれるのですが、本日はそれが皆無で、ちょっと残念でした。やっぱりレオに獲らせたかった。一票入れてないけど。一番のサプライズが、短編アニメって、ちょっと地味過ぎて盛り上がりに欠けるわ。

胸を打つスピーチも、今年は少なかった気がする。ルピタ・ニョンゴとかすごく可愛くて良かったけど、もうちょっとスペシャルな何かが欲しかった。ジャレッド・レトは感動的だったけどちょっと長すぎた。マコノヒーの「10年後の自分を目指す」スピーチもちょいと興ざめだったし。あと、今年は放送局(ABC)のカメラマンの出来てなさっぷりが酷くて、コマーシャルに行く時のタイミングはずれるわ、注目しないといけない人の抜きは出てこないわ、なんだか大丈夫?と思う内容でした。ちょいと残念。

それでも私にとって今年のオスカーは、プレゼンターにダニエル・デイ=ルイスが出るというだけで、充分に見る価値があるもので。客席には座ってくれなかったけど、出てきてくれただけで、有難すぎる話です。ブランジェリーナも揃って出てたし、華やかな顔ぶれはすごく多くて、いつにも増して豪華な楽しい感じの授賞式だったことは、良かったんじゃないかな。ここからまた、来年への365日が始まるというわけです。

授賞式途中に、司会のエレンが「リツイート数の記録破りに挑戦!」と言って
周りに居たスターたちと撮った写真。実際にリツイートが殺到で
一時ツイッターはパンクしてしまいました。豪華で楽しい最高の一瞬。
 

2014年3月2日日曜日

いよいよ明日!それでも夜は明けてしまうのか

ほとんどブログも書かず、ボーっとしている間に、とうとう前日になってしまいました86回オスカー。ふたを開けてみると、作品賞9本のうち、本編を見ることができなかったのは2本。「それでも夜は明ける」とスパイク・ジョーンズの「Her」です。問題は、「それでも夜は明ける」が、有力な作品賞候補で、「Her」が有力な脚本賞候補と言うところ。やっぱり基本的に、見てない映画に一票入れる、というのは何とも難しいものです。

今回は、まれにみる当たり年と言われ、どの作品も非常に出来が良いのでどれが獲るか分からない、なんて言われてるんだけど、どうだろう。個人的には好きな映画が少なく、なんとも煮え切らない気持ちです。「ゼロ・グラヴィティ」はすごいな~と思ったけど、今までのオスカーの歴史を考えると、こういう革新的な作品が作品賞に輝くことはほとんどない。類まれなる革新的な作品こそベストピクチャーと呼ばれるにふさわしいと思うのだけど、実際にはそうならないことがオスカーの常なのです。では、もう一方の候補「それでも夜は明ける」が去年一番の作品と言うことになるのか。

わっかんないな~。正直全然分からん。80年代後半から90年代、00年代と見てきて、一定の傾向があることは確か。たとえば80年代、90年代は、一番ノミネーションが多かった映画が結局作品賞に輝く、とか、作品賞に輝いた映画は、最終的に受賞数も一番多いとか。ユダヤ人の多い映画業界だから、ホロコーストとかナチス関係扱うと強いとか。このあたり、結構鉄板で、ずっとそれに沿って受賞数決めたり作品決めたりしてたんだけど。これが最近、必ずしも当てはまらなくなっている。もう何を信じて良いのか全然わからないのよね。

思うのは、大体30年周期くらいで世代って変わるから、ここ10年くらいはパターンが変わってきたんじゃないかなってこと。80年代バリバリの40代だった人たちは、今は70過ぎになってるわけで、その頃大御所と言われてた人たちはもういなくなってる。今40代は1970年代の生まれだから、ナチスの話より公民権運動とか、ゲイとか女性の市民権だとか、そういうことの方が身近な問題として育ってきた世代で、だから強い映画の傾向もちょっと変わってきたんじゃないかなと。私たちのオスカー予想も、それに合わせて傾向と対策を変えないといけないんだけど、いまだに昔のパターンに囚われて、最近あんまり当たらなくなってきたのよね。いけません。

そんなことを考えながら、予想を終えたら、「ゼロ・グラヴィティ」が7個受賞と言う内容になってしまった。絶対そんなに獲らない。でももう時間もないから、しょうがない、これにて固めます。いずれにしても、明日が楽しみだ!

私の予想
作品賞: ゼロ・グラヴィティ
監督賞: ゼロ・グラヴィティ
主演男優: マシュー・マコノヒー
主演女優: ケイト・ブランシェット
助演男優: ジャレッド・レト
助演女優: ルピタ・ニョンゴ
脚本賞: 「HER 世界でひとつの彼女」
脚色賞: 「それでも夜は明ける」
外国語映画: 「偽りなきもの」
撮影賞: 「ゼロ・グラヴィティ」
編集賞: 「アメリカンハッスル」
長編アニメ: 「アナと雪の女王」
美術: 華麗なるギャツビー
衣装: 華麗なるギャツビー
作曲賞: 「あなたを抱きしめる日まで」
主題歌: Happy
録音: 「ゼロ・グラヴィティ」
音響: 「ゼロ・グラヴィティ」
視覚効果:「ゼロ・グラヴィティ」
ヘアメーク: Jackass
ドキュメンタリー長編: バックコーラスの女神たち
ドキュメンタリー短編: The Lady in Number 6
短編映画: Aquel No Era Yo
短編アニメ: ミッキーミニーの救出大作戦