2018年10月12日金曜日

91回目のオスカー、ウォームアップの時期到来

オスカー前哨戦の季節になって参りました。本当は、町山さんがトロント報告をぶちかますTokyo Cinema Show の前に一言書いておくべきなんだろうけど、いかんせん怠惰で間に合わず。すみません。

今年はどうやら質的に結構高い年のようで、ベネチアで金獅子を獲ったキュアロンの新作ROMA、相当話題になってます。チャゼルもバリー・ジェンキンスも新作あるし、久々のスティーブ・マックイーン(生きてる方)もトロントで話題になっておりました。個人的には全然興味のない「アリー スター誕生」とかも出来がいいらしく、ゴールデングローブには絡んでくるでしょうね。そんな中で、すこぶる評判が良いのは、”あの”ファレリー兄弟の片方ピーター・ファレリーが撮ったGreen Book。こちら、当確のにおいがします。なんだかめっちゃいい映画らしいよ。

がしかし、私が一番見たくて、今回のオスカーでがつんと絡んできてほしい一番の作品は、「女王陛下のお気に入り」。われらがヨルゴス・ランティモスの新作です。皆さんはヨルゴス、ご存じでしょうか。「籠の中の乙女」という、狂ってるけど秀逸なものすごくオリジナルな作品の監督です。ヨルゴスは数年前に、「ロブスター」でオスカーの脚本賞にもノミネートされました。今回は、満を持して本線に絡んでくる予定です。もう、ヨルゴス本人を見るのが楽しみでしょうがない。ヨルゴスもいつの間にか、かなり市民権を得たようで、今回の作品にはエマ・ストーンなんかも出ています。私の大好きなレイチェル・ワイズも出ていて、まあとにかく絶対面白そうなのよ。もう見たくて見たくてしょうがない。でも内容はよく知りません。

こちらの「女王陛下のお気に入り」は、重要な役者がみんな女性のようで、ヴェネチアでも最優秀女優賞を獲ったりしてたので、きっとこの中から何人かが、主演や助演でノミネートされるのでしょう。GaGaなんかより、よっぽど見たいよね、本当の女優達。今年の主演女優賞で、もう一人注目なのが、「天才作家の妻」のグレン・クロースです。もはや説明も要らない名女優ですから、ノミネートは確実なんじゃないかと期待しておりますが、彼女はまだ一度もオスカーを獲ったことがないのです。ノミネートは6回もされてるのに。グレンと言えば、私的には「危険な関係」。情事ではなく関係の方の彼女が大好きです。80年代から90年代に黄金期を迎えていた彼女は、アカデミー賞の常連でしたが、最近はすっかりなりを潜めてしまっていたので、今回は久々に会場で彼女を見たい。名女優ですよ。ハリウッドの宝です。アホみたいに会員数を増やしちゃったアカデミーが、昔の名女優に投票するかどうかは未知数ですが、グレンのオーラが会場を黙らせることを、私は今から期待してます。ちなみにこちらの作品見ましたが、彼女は本当に素晴らしいです。

ところで、今年の外国語映画賞、メキシコ(ROMA)もポーランド(COLD WAR)も5本選定確実だと思うんだけど、こちらの2本、白黒なのよね。チャン・イーモウのShadowsまでノミネートされたらどうしようと思ってたけど、これは残念ながら中国代表には選ばれず。是枝さんの万引きは5本の一本に入る可能性はあるのかもだけど、正直獲るとは思えないわ。

なんだかとりとめもない内容で結構長くなってしまったので、今日のところはこれくらいでやめておきますが、これからが本番。楽しい季節の到来です。