2016年5月21日土曜日

Paterson

久々のブログです。

っていうか、最後に書いたのがいつか見たら2014年?ちょっと空きすぎですよね。
なんらかの理由で、ブログ書く気にならなかったのだと思います。ごめんなさい。

で、本題。15年位前に、ゴーストドッグという映画を見ました。ジム・ジャームッシュの作品です。

すごく感銘を受けて、なんだか得した気分になった映画でした。

それ以降もジャームッシュは数本映画を作りましたが、なぜか見ていなかった。その上での今回の新作PATERSON。 思った以上に感動し、ここにつづらなくてはいられなくなりました。

この作品、ニュージャージー州のパターソンというところでバスの運転手をしている男を主人公にしています。その男は同時に、詩人です。毎日の何気ない出来事を、詩にして自分だけの秘密のノートに残している。奥さんは彼の才能に気づいていて、いつか出版するために、コピーを取っておけと毎日のように助言している。でも彼(名前は街と同じパターソン)は、それをせず、手書きのノートだけを残している。ほとんど変わらぬ毎日が、突然変わるのが、その日記が愛犬にボロボロにされたときなのですが、それでもパターソンは取り乱すことなく、おそらくそれまでと同じ日常を過ごします。

ここまでだと、なんだか救いのないアート映画なのですが、そうならないのがジャームッシュ。そこからの展開が彼の主張であり、素晴らしいのです!この映画には永瀬正敏さんが5分くらいものすごく効果的に出演されているのですが、そこで彼が語るセリフがすべてなのです。

この映画が何等かの賞を取るかは私にはわかりません。でも、日常を描いた作品がこれだけ観客の心をつかむ時点で、もうすでに秀作なのです。

ジャームッシュ、今後どれだけ作品を取ってくれるかわかりませんが、私は本当に楽しみにしています。ゴーストドッグ、パターソンの流れをくむ良作を、これからもぜひ撮ってください。よろしくお願いいたします!!!!