2018年2月26日月曜日

90回目はかなり楽しい#3

どのエントリーも平均3人にしか読まれていなかったこのブログ、先ほどジェーン・スーさんが紹介してくれたら、1時間で300人くらいビジターが増えました。渾身のダニエル・デイ=ルイスについてのエントリーを読んで頂いた皆様、本当にありがとうございます。恐縮です。

そして先週末タマフルのアカデミー賞予想特集をお聞きくださった方々、ご拝聴有難うございました!大好きな話題についてしゃべり続けることができる、至福の1時間でした。

今回のアカデミー賞、作品賞の行方がすごいことになっているのは勿論のこと、個人的には「ファントムスレッド」の6部門ノミネートと、この作品が衣装賞を獲るかどうかというのが、ものすごい関心事です。そのほか、長編ドキュメンタリーが面白いレースになっていて、この部門の研究もこれから一週間の課題です。アニメーションにBreadwinnerやゴッホがノミネートされたことも快挙というべきで、受賞はCocoに確定しているとしても、あっぱれなノミネーションだったと思います。

なーんてことを先週のラジオで話すつもりだったんですけど、全然時間が足りませんでした。次回話す機会を頂けた暁には、かいつまんで要点のみ残さずしゃべれるよう、今から鍛錬を積みたいと思います。

2018年2月22日木曜日

90回目はかなり楽しい#2

90回目、本当に楽しい。こんなに楽しいオスカーは、私が見始めてから初めてかもしれない。なんせ、10日を残した今日、作品賞の行方が全く分からないのだから。

去年のベネチアで金獅子を獲って以来、フロントランナーと思われてきたShape of Water。一応いまでもフロントランナーには変わりないんだけど、なんかそう思えないのはなぜ?

それは、派手な前哨戦でほとんど勝利をしていないから。ゴールデングローブも英国アカデミー賞もスリービルボードにやられちゃって、なんだか勢いをなくしている感満載。これ、PGAとDGAを獲った作品にはまず感じられないことなのに、なぜこんなに不利な感じがするのだろう。

おそらくそれは、#Me Too #Time's Up 運動に代表される、社会的な背景があるのではないかな。今年の顔になる主演女優賞を受けるには、サリー・ホーキンスは印象が弱すぎる。まだ映画を見てないからよくわからないけど、サリーの役柄がスリービルボードの主役より強いわけがないような気がするのよね。その時点で、今年らしくない。

スリービルボードが作品賞を獲るには不利な点ももちろんあって、何よりも監督賞のノミネートをなぜかされなかったこと。私が見始めてからのオスカーでは、それでも作品賞を獲ったのは2本しかなくて、一つは最初の年89年度の「ドライビング・ミス・デイジー」。この年はビデオが擦り切れるほど見た授賞式で、なんといってもダニエル・デイ=ルイスが初受賞した年。同時にグローリーでデンゼルが初受賞した年。本当に素晴らしい授賞式でした。「ヘンリー5世」でケネス・ブラナーに初めてスポットが当たった年でもあったわ。そしてビリー・クリスタルが初司会の年。とにかく何から何まで素晴らしい授賞式で、その時に作品賞を獲ったのが、ブルース・ベレスフォードが完全に無視された「ドライビング・ミス・デイジー」だったわけです。でも、そのあとに監督がノミネートされなくて作品賞を受賞したのは「アルゴ」までなかったはず。「アルゴ」が比較的最近だったことを考えると、同じことが今年起こる確率ってどんなもんなんだろ。

「シェイプオブウォーター」は未見なので、作品に関することは何とも言えないけど、やっぱり女性の権利万歳の今年の風潮を見ると、どっちかというと「スリービルボード」に利があるように思えてならない。BAFTAの状況見ても、結局やっぱりまたみんな黒装束で現れて、ハーヴィ・ワインスタインに中指立てて終わるような授賞式になるのではないか、と思えてならないのです。

もう一つ加えて言うのなら、去年並みの最大のアプセットがあるとしたら、それは「ゲットアウト」の作品賞。これは万馬券が当たるよりもオッズが低い(高い?)と思うので、まず可能性はないと思うけど、フォックスの2本以外に獲る可能性があるとしたらこれしかない。これが獲ったらある意味、去年の「ムーンライト」よりもすごいと思う。ブラムハウス制作の娯楽ホラーだからね。めっちゃ面白かったけど。

いずれにしてもあと一週間。これが終わったらまた1年待つのかと思うとつらいけど、来週末は楽しみでしょうがない。