2018年12月19日水曜日

順当すぎる外国語映画賞ショートリスト

昨日発表になった、外国語映画賞の最終選考に残った9本が、つまらない。

何がつまらないって、最終的に残る5本がほぼわかっちゃうようなセレクションなのです。混戦になるのに必要だったベルギー代表「Girl」とかスウェーデンの「Border」が漏れちゃったために、ファイナリストはほぼ間違いなく

メキシコ
日本
ポーランド
レバノン
韓国

になるでしょう。つまらん。

ここに割り込んで入ってくるとしたら、ドイツかコロンビアと言ったところなんだけど、どちらかが滑り込んだとしても、以前もノミネートされてる監督たちなので、あんまりサプライズにはならないのよね。ただ、正直両方とも強いと思えないし、ドイツがGGに入ったのとかほんとびっくりチョイスだったので、本戦は上記5本で行くと思われます。ちなみに韓国は入れば初ノミネート。

ドキュメンタリーもショートリストが出て、思ってた作品はほとんど入っておりました。こちらの方も順当に行けば

Free Solo
RBG
Three Identical Strangers
Minding the Gap
Won't You Be My Neighbor?

と言ったところでしょうか。

ま、最終的にどうなるかは1月のお楽しみなので、その時にサプライズがあることを期待しましょう。

2018年12月7日金曜日

GG (ゴールデングローブ賞)ノミネーション発表

昨晩、ゴールデングローブ賞のノミネーションが発表されました。いや~、興奮した。いつも変なチョイスをちょいちょい入れてくる外国人記者クラブ、今年も想定外がたくさんあったんだけど、その想定外がいつものパターンとは違っていたのでびっくり。個人的には面白い結果になりました。

一番嬉しかったのは、主演男優賞ウィレム・デフォーのノミネート。今年のヴェネチアで男優賞を獲ったゴッホ役だから、当然と思う人もいるかもしれないけど、いつものGGパターン(=人気者を優先)だと、ここはライアン・ゴスリングに行く可能性の方が高かったわけで。確実視されていて結局スルーされちゃったイーサン・ホークでさえウィレムに比べたら若いし人気もあるからね。ここに入り込むのはかなり難しいかなと思っておりました。ふたを開けてみたら、意外や意外、ウィレムやブラッククランズマンの人とかがノミネートされて、これはかなり意外かつ嬉しい結果でした。

主演女優賞のロザマンド・パイクには驚いたけど、今まで彼女をノーマークだった人も多いと思うので、ここでの注目は彼女にとってはかなり大きかったと思います。予定通りグレン・クロースがノミネートされたことにはホッとし、他の3人については想定通りだったのでこれと言った感想はない。今年の主演女優はコメディ部門にノミネートされているオリビア・コールマンやエミリー・ブラントも強いから、本線のノミネートはまだまだ油断が出来ません。今まで6回受賞を逃しているグレンには、ぜひとも本線まで頑張ってほしいのだが、前哨戦を今のところ一つも取ってないのが気がかりです。

ゴールデングローブは、オスカーの投票者とは全然関係のない面々が決める賞なので、直接的にはあんまり気にしなくて良いのだけれど、とはいえこの賞、本戦のノミネート投票日前日に授賞式があることが味噌。オスカーの投票権を持つ業界人は皆、GGの授賞式も見るわけで、ここでどんな印象を与えられるかで、ノミネーションに影響を与えることも出来ちゃうのです。数年前のメリル・ストリープがまさにそれで、GG発表まではノミネーションのフロントラインにいなかった彼女が、あのエイミー・アダムスを押しのけて5人目に滑り込んだのは、GGのセシル・B・デミル賞受賞スピーチが素晴らしかったと言う理由のみによるもの(私見)。つーかあの年エイミー・アダムスがノミネートされないって本当にどうかしてるってことは、「メッセージ」を見た人なら誰でもわかると思うんだけど、そんなおかしな結果に影響しちゃうような、そういう副作用(?)的な影響があるのがGGの授賞式なわけです。「注目を集める」と言う露出的な意味合いや宣伝面での影響が大きいこの賞なので、やはりここでノミネートされた小さな映画たち、とくにこれから公開を待つ作品(ニコール・キッドマン=デストロイヤーなんかがそれ)にとっては、今回のノミネートはかなり追い風になるよなあ。

とは言いつつも、一番大事なのはやはり、投票権を持つ人たちが何を支持するかです。少しずつ発表され始めた前哨戦の結果を見る限り、今年はかなり混戦模様。まだまだどうなるか分かりません。今後の動きで一番注目は、来週水曜日12日に発表になるSAG(全米俳優協会)のノミネーションで、そこで誰が残って誰が振り落されるのか。その結果いかんでは、イーサン・ホークもトニ・コレットも、まだまだ無視できない存在になるわけで、いや~~~~~、ドキドキは続くわけです。