2016年8月1日月曜日

乙女心をくすぐる秀作ブルックリン

昨日友人のジェーン・スーのトークイベントに顔を出した際に、このブログの放置っぷりに対して叱責をされ、もう2年くらい書いてないなと思ってログインしてみたら、今年の5月に一回書いてるじゃん!本当に微塵も覚えてないことを鑑みると、酔っぱらって書いたのだと思います。反省。でも、Paterson は今年見た作品の中で暫定一位なので、とりあえず書いておいて良かった。アメリカは年末公開決定したそうです。アダム・ドライバーがノミネートされるかどうかは対抗馬がどうなるかのみにかかっておりますが、アダム・ドライバーは今年スコセッシの「沈黙」もあるし、もしかしたらもしかしちゃうんじゃないの?と密かに期待を寄せております。アダム、頑張れ!

さて、Paterson に続いて、今年は心から好きと思える作品がもう一本。今年のオスカー作品賞にノミネートされていた小品、「ブルックリン」です。シアーシャ・ローナンが素晴らしい。「つぐない」の時以来の名演です。彼女はいつかオスカー獲るだろうなあ。30代くらいかしら。

話の内容は、単純なのです。アイルランドでくすぶっている不遇な女の子が、羽ばたくために新天地アメリカに行くけど、そこには家族も友達もいなくて、寂しくて辛くて泣いてしまうような生活を送っている。でも素敵な男の子に出会って、自分の場所を見つけて幸せになってきたなと思ったら、今度は故郷の訃報でアイルランドに戻ることになる。そこには昔とはまた違う世界が待っていて、どちらの故郷を選ぶべきか、揺れる若い女の子の話。なんだかね~、自分とはひとつも共通点ないんだけど、気持ちがわかっちゃうタイプの作品なのよ。それはひとえにこのシアーシャ・ローナンの名演のおかげなんだろうけど。いや~、久々に胸が苦しくなるような素敵な映画を見ることができました。

ジム・ブロードベントにジュリー・ウォルターズと、往年の名優もさることながら、今回この作品でいい味を出しているのが、今売れに売れているドーナル・グリーソン。今年はエクス・マキナという名作も公開され、レヴェナントやスターウォーズと、最近の話題作で出てないものはないんじゃないかと思うくらいの若手有望株。お父さんであるブレンダン・グリーソンよりも若干いい男風なのがまた追い風なんでしょう。彼もオスカー俳優になる可能性が高いので、今後も要注目です。

昨日のウルフの訃報がショック過ぎて、ブルックリンのこと書いてる場合じゃないなと思いつつ、やはり思ったことは早めに書き留めておかないと忘れてしまうので、とりあえず書きました。今週末はいよいよオリンピック開催。フェルナンド・メイレレスが総合演出です。ブラジル人として一番オスカーに近い存在のメイレレス。私はウォルター・サレスよりもメイレレス派です。開会式に期待しましょう。