2019年1月28日月曜日

SAG発表!で、暗中模索?五里霧中?もうどうして良いか分からない

SAG出ました!とりあえずはグレン・クロースおめでとう!!これでもう、夢ではなくて本当にオスカーに一歩近づきました。いつの間にかフロントランナーだよ。嬉しすぎるよ。BAFTAがオリヴィア・コールマンに行ったとしても、オスカーはグレンにとって欲しい。「危険な関係」以来の願いです。本当に祈ってる!!

にしても、今年のオスカーほど混乱極まりない年は今までにないんじゃないかな。SAGで方向性が見えたのは主演女優と助演男優だけで、これほどアンサンブルの結果が役に立たない年もない。「ブラックパンサー」だよ?本戦で獲るわけないじゃん。作品賞、何を指標にしたら良いのか、本当に本当に困ります。PGAの結果を受けて、「グリーンブック」が思いのほか持ち直してきたから、もしSAGでヴィゴが獲るようなことがあったら、ここから「グリーンブック」の巻き返しがあるかも、と思ったけど、ふたを開けてみたらラミ・マレックだし、GGとSAG獲ったおかげで、いつの間にかラミがフロントランナーみたいになっちゃってるし、もうこれで「グリーンブック」はほとんど重要性なくなっちゃったし、混乱しまくりでわたし、何を書いていいのかも分かりません。ここまで本命がいない年って30年の私のオスカー人生の中でも初めてかも知れないな。1本に絞り切れないとしても、普通は2,3本の有力候補がある物だけど、今年に関してはどれも強くないのよね。本当に本当に分からない。

いつものようにノミネーションの数で行くと、SAGには一切絡んでこなかったROMAと、SAGで3人もノミネートされたのに誰も受賞できなかった「女王陛下のお気に入り」が作品賞有力ってことになるんだけど、どっちもアート映画(のはず)だし、外国映画(メキシコとイギリス)だし、やっぱり作品賞を受賞するタイプの作品ではないのよね。じゃあ生粋のアメリカ映画の「グリーンブック」が獲るかというと、これまた決め手に欠ける感じがあったり、結局マハーシャラ・アリ以外は強くなかったりで、あんまりそこに行く気がしない。。。「アリー」に至っては完全に失速してもう望みはない(と思いたい)し、「ボヘミアン」「ブラックパンサー」はノミネートされただけで光栄です、って類の作品だと思うので、そうやって消去法にしていくと「ブラッククランズマン」??でもそうとも思えないのよね~。やっぱり普通にロジックだけで行くと、PGAとGGを受賞し、トロントで観客賞を獲った「グリーンブック」がフロントランナーと考えるのが一番正しいのですが、今年の私はこのロジックにどうしても同意できない。見ていないから何とも言えないけど、やっぱり直感的に、この映画はなんか勢いが感じられないから無理な気がするのです。いい映画らしいんだけどね。

というわけで、今年はもう、とりあえず片っ端から見て行こうと思います。全然興味ないけどまずはネットフリックスで手軽に見られる「ローマ」から。2月中旬になったら「女王陛下」見て、ベルリンかロンドンで「ブラッククランズマン」と「グリーンブック」を何とか見て、最終的には自分の趣味で決めようかな、と。

あ、「ヴァイス」の存在忘れてた。根拠ないけど、この映画からは何のVibeも感じないから、これはないんじゃないかな~。とはいえ、今年は本当に自信ありませんけど。

2019年1月23日水曜日

ノミネーションの夜は明けて(アトロクで話しきれなかったので)

91回アカデミー賞、ノミネーション発表になりました。まずは、グレン・クロースおめでとう!ウィレム・デフォーおめでとう!そのほかの人もおめでとうだけど、エミリー・ブラントはかわいそうだったな。正直、ここまで「アリー」が失速してるなら、その主演女優賞、ちゃんとした女優のノミネートに使ってほしかったわ。

昨日のノミネート発表は、いつもの通りアカデミー賞仲間と共にばっちり最初から最後まで一喜一憂しながら見守りました。一番の驚きとなる助演女優賞が一番最初の発表で、聞いたこともないメキシコ人の名前が呼ばれたものだから、そこから先全部盛り上がって行けたのがとても楽しかったです。この「ROMA」のマリナ・デ・ダヴィラがノミネートされた瞬間に、主演女優賞の最後のひと枠はエミリー・ブラントの手を去りヤリッツア・アパリシオのものになったことを確信したし、この後のROMA快進撃を確信したわけで、やっぱりノミネーションは授賞式に勝るとも劣らない楽しさだよね、とうきうきしながら鑑賞しました。

同じような感じで脚本賞にポール・シュレーダーがノミネートされたとき、主演男優の最後のひと枠はイーサン・ホークのものになったと思ったので、主演男優賞の3人目がウィレム・デフォーだった瞬間にはハイファイブして喜びました。これは本当にうれしい。彼のゴッホ役、最高です。

主演女優賞は、ほぼ順当(エミリー・ブラントを除いては)だったけど、今回のオスカーの最大の関心事は、グレン・クロースが7度目の正直で悲願の受賞をできるか否かなので、ここは最後までぶれずに彼女を応援していきたいと思います。今週末のSAGでGagaが受賞とかいう嘘みたいな展開にならない限り、ここはコールマンとクロースの一騎打ちのはずなので、今週末、祈るような気持ちで見ています。コールマンのBAFTAは仕方ないとして、SAGはクロースにとってほしい。「天才作家の妻」は、映画自体も見ごたえがあって面白いから、日本でヒットするといいなあ。

もう一つ、今週末のSAGで行方が気になるのが主演男優賞。ここでクリスチャン・ベイルが獲ったらもうこれは完全ロックだと思うんだけど、もしここでヴィゴが獲るようなことがあったらわからんよ。この前のPGAでグリーン・ブックが作品賞を獲ったのはこのシーズン一番の衝撃だったし、これによって今までの流れがガラッと変わってしまったから、ここでヴィゴが獲るようなことになると、グリーン・ブックに勢いがついちゃう可能性あり。ほかの3人(ブラッドリー、ラミ、ウィレム)が獲る可能性はほとんどないと思うんだけどね。

今年は作品賞にクリアーなフロントランナーがいないので、今のところはまだまだ様子見の状況です。昨日のノミネーションの結果だけを言うと、主要6部門(作品賞、監督賞、脚本または脚色、編集、主演、助演)を全部網羅しているのは「女王陛下のお気に入り」「ヴァイス」の2作品だけ。でもこの二つはどちらも作品賞を獲るとは全然思えないので、それ以外となってくるとじゃあ一体どれなのか?ROMAは最多ノミニーとは言え白黒のメキシコ映画、グリーン・ブックは白人目線の黒人映画と言われて黒人層からのサポートは得られないと思われるし、そうなってくると大穴はブラッククランズマン??もう何がなんだかわかりません。(そしてそれ以外の作品は作品賞を獲る可能性はないと思う。)私としてはスパイク・リー世代なので、スパイクが監督賞に初ノミネートされたのも万歳だし、なんなら受賞もしてほしいと思うくらいなのだけど、こちらもまた、本人が自分で「ダークホース(シャレです)」と言うくらい、まあフロントランナーからはかけ離れた存在なわけです。そう考えると、今年の作品賞を占うにはまだまだ時期尚早で、まずはこの週末のSAG,DGAの結果を待ち、その上で2月中旬のBAFTAの結果を見ない限り、私の予想はまだまだ固まらないなと思う次第です。

「万引き家族」「未来のミライ」について少しだけ触れておくと、正直この2作品はなかなか難しいポジションにいると思うけど、少なくともこれらの関係者は私のあこがれのドルビーシアターに入れるわけで、皆さん楽しんできてね、というくらいな感じ。もしも受賞するようなことがあったらあっぱれ!というのは言うまでもないことです。

今年は珍しく、作品賞のほとんどが授賞式前に公開されるので、私としてはできる限り見てから予想をするつもりです。一番見たいブラッククランズマンが見れない可能性が高いけど、待望のヨルゴスは何とか間に合うし、今から楽しみでしょうがありません。予想自体については、まだ1ヵ月以上もあるので、各前哨戦を経るたびにちょくちょくこちらでアップデートをしていきたいと思います。次回のアトロク出演は2月20日、最終予想はジェーン・スーのツイッターで25日の朝に公開予定です。それまで皆さん、一緒に予想をしながらしばしのお付き合い、よろしくお願い致します。

2019年1月14日月曜日

Critics Circleの結果によって、さらに混迷を極める今年のオスカー

本日、Broadcast Film Critics Association 通称Critics Circle の授賞式が行われ、Romaが作品賞に輝きました。なるほど、という感想だけど、これでますます本戦の行方が分からなくなった感じ。ネットフリックスの作品が、白黒のメキシコ映画が、アカデミー賞で作品賞を獲ったらこれはもうすごいことだから、もう少し先まで動きを見ないと、作品賞に関しては何とも言えんな。

グレン・クロースが主演女優賞を獲ったのは想定外だったけどめっちゃ嬉しい。あとはSAGの結果がどうなるかで、状況が変わってくるかな。オリヴィア・コールマンは相変わらず強いけど、コメディ部門で主演を獲った彼女を押さえてのグレンとGaGaっていうのはなかなか意味のある事です。グレン、頑張れ!

今回の結果で一番有利に躍り出たなと思ったのは主演男優賞のクリスチャン・ベイル。コメディ部門の主演も、全部合わせた主演も獲っちゃったら、これはもう、今年の最高の演技はこの人ですって言ってるようなもんじゃんね。この先SAGを獲ったら、これはもう本戦受賞確定でしょう。考える必要がなくなって良い。同じようにマハーシャラ・アリもSAGの結果いかんではロックですね。この人選とってもつまらない感じはするけど、まあ考える必要が減るのはウェルカムです。

そのほかすでに考える必要がないのはアルフォンソ・キュアロンの監督賞、撮影賞でしょうか。この二つは堅そうです。今回のBFCAは受賞作品を相当散らばらせた印象があったんだけど、「女王陛下のお気に入り」があんまり出てこなかったのが印象的でした。特に、本戦では絶対獲るだろうと思うコスチュームがブラックパンサーに行ったのが本当に驚きでした。ブラパンは今後、作品賞に入ってくるかどうかでも、全体に及ぼす影響が変わってくるかな。最終的に作品賞候補になるかどうかはとってもキュリアス。

今まで完全スルーされてた「ファーストマン」と、「ビールストリート」が食い込んできたのも注目点。特にレジーナ・キングはノミネートされたら獲る可能性が高いから、GGにもSAGにも無視された彼女がどうなるか、見ものです。

そんなこんなを考えながら、22日のノミネーション発表までわくわくドキドキ。この季節の毎日は、あっという間に過ぎて行くなぁ。