本日、Broadcast Film Critics Association 通称Critics Circle の授賞式が行われ、Romaが作品賞に輝きました。なるほど、という感想だけど、これでますます本戦の行方が分からなくなった感じ。ネットフリックスの作品が、白黒のメキシコ映画が、アカデミー賞で作品賞を獲ったらこれはもうすごいことだから、もう少し先まで動きを見ないと、作品賞に関しては何とも言えんな。
グレン・クロースが主演女優賞を獲ったのは想定外だったけどめっちゃ嬉しい。あとはSAGの結果がどうなるかで、状況が変わってくるかな。オリヴィア・コールマンは相変わらず強いけど、コメディ部門で主演を獲った彼女を押さえてのグレンとGaGaっていうのはなかなか意味のある事です。グレン、頑張れ!
今回の結果で一番有利に躍り出たなと思ったのは主演男優賞のクリスチャン・ベイル。コメディ部門の主演も、全部合わせた主演も獲っちゃったら、これはもう、今年の最高の演技はこの人ですって言ってるようなもんじゃんね。この先SAGを獲ったら、これはもう本戦受賞確定でしょう。考える必要がなくなって良い。同じようにマハーシャラ・アリもSAGの結果いかんではロックですね。この人選とってもつまらない感じはするけど、まあ考える必要が減るのはウェルカムです。
そのほかすでに考える必要がないのはアルフォンソ・キュアロンの監督賞、撮影賞でしょうか。この二つは堅そうです。今回のBFCAは受賞作品を相当散らばらせた印象があったんだけど、「女王陛下のお気に入り」があんまり出てこなかったのが印象的でした。特に、本戦では絶対獲るだろうと思うコスチュームがブラックパンサーに行ったのが本当に驚きでした。ブラパンは今後、作品賞に入ってくるかどうかでも、全体に及ぼす影響が変わってくるかな。最終的に作品賞候補になるかどうかはとってもキュリアス。
今まで完全スルーされてた「ファーストマン」と、「ビールストリート」が食い込んできたのも注目点。特にレジーナ・キングはノミネートされたら獲る可能性が高いから、GGにもSAGにも無視された彼女がどうなるか、見ものです。
そんなこんなを考えながら、22日のノミネーション発表までわくわくドキドキ。この季節の毎日は、あっという間に過ぎて行くなぁ。
2019年1月14日月曜日
2018年12月19日水曜日
順当すぎる外国語映画賞ショートリスト
昨日発表になった、外国語映画賞の最終選考に残った9本が、つまらない。
何がつまらないって、最終的に残る5本がほぼわかっちゃうようなセレクションなのです。混戦になるのに必要だったベルギー代表「Girl」とかスウェーデンの「Border」が漏れちゃったために、ファイナリストはほぼ間違いなく
メキシコ
日本
ポーランド
レバノン
韓国
になるでしょう。つまらん。
ここに割り込んで入ってくるとしたら、ドイツかコロンビアと言ったところなんだけど、どちらかが滑り込んだとしても、以前もノミネートされてる監督たちなので、あんまりサプライズにはならないのよね。ただ、正直両方とも強いと思えないし、ドイツがGGに入ったのとかほんとびっくりチョイスだったので、本戦は上記5本で行くと思われます。ちなみに韓国は入れば初ノミネート。
ドキュメンタリーもショートリストが出て、思ってた作品はほとんど入っておりました。こちらの方も順当に行けば
Free Solo
RBG
Three Identical Strangers
Minding the Gap
Won't You Be My Neighbor?
と言ったところでしょうか。
ま、最終的にどうなるかは1月のお楽しみなので、その時にサプライズがあることを期待しましょう。
何がつまらないって、最終的に残る5本がほぼわかっちゃうようなセレクションなのです。混戦になるのに必要だったベルギー代表「Girl」とかスウェーデンの「Border」が漏れちゃったために、ファイナリストはほぼ間違いなく
メキシコ
日本
ポーランド
レバノン
韓国
になるでしょう。つまらん。
ここに割り込んで入ってくるとしたら、ドイツかコロンビアと言ったところなんだけど、どちらかが滑り込んだとしても、以前もノミネートされてる監督たちなので、あんまりサプライズにはならないのよね。ただ、正直両方とも強いと思えないし、ドイツがGGに入ったのとかほんとびっくりチョイスだったので、本戦は上記5本で行くと思われます。ちなみに韓国は入れば初ノミネート。
ドキュメンタリーもショートリストが出て、思ってた作品はほとんど入っておりました。こちらの方も順当に行けば
Free Solo
RBG
Three Identical Strangers
Minding the Gap
Won't You Be My Neighbor?
と言ったところでしょうか。
ま、最終的にどうなるかは1月のお楽しみなので、その時にサプライズがあることを期待しましょう。
2018年12月7日金曜日
GG (ゴールデングローブ賞)ノミネーション発表
昨晩、ゴールデングローブ賞のノミネーションが発表されました。いや~、興奮した。いつも変なチョイスをちょいちょい入れてくる外国人記者クラブ、今年も想定外がたくさんあったんだけど、その想定外がいつものパターンとは違っていたのでびっくり。個人的には面白い結果になりました。
一番嬉しかったのは、主演男優賞ウィレム・デフォーのノミネート。今年のヴェネチアで男優賞を獲ったゴッホ役だから、当然と思う人もいるかもしれないけど、いつものGGパターン(=人気者を優先)だと、ここはライアン・ゴスリングに行く可能性の方が高かったわけで。確実視されていて結局スルーされちゃったイーサン・ホークでさえウィレムに比べたら若いし人気もあるからね。ここに入り込むのはかなり難しいかなと思っておりました。ふたを開けてみたら、意外や意外、ウィレムやブラッククランズマンの人とかがノミネートされて、これはかなり意外かつ嬉しい結果でした。
主演女優賞のロザマンド・パイクには驚いたけど、今まで彼女をノーマークだった人も多いと思うので、ここでの注目は彼女にとってはかなり大きかったと思います。予定通りグレン・クロースがノミネートされたことにはホッとし、他の3人については想定通りだったのでこれと言った感想はない。今年の主演女優はコメディ部門にノミネートされているオリビア・コールマンやエミリー・ブラントも強いから、本線のノミネートはまだまだ油断が出来ません。今まで6回受賞を逃しているグレンには、ぜひとも本線まで頑張ってほしいのだが、前哨戦を今のところ一つも取ってないのが気がかりです。
ゴールデングローブは、オスカーの投票者とは全然関係のない面々が決める賞なので、直接的にはあんまり気にしなくて良いのだけれど、とはいえこの賞、本戦のノミネート投票日前日に授賞式があることが味噌。オスカーの投票権を持つ業界人は皆、GGの授賞式も見るわけで、ここでどんな印象を与えられるかで、ノミネーションに影響を与えることも出来ちゃうのです。数年前のメリル・ストリープがまさにそれで、GG発表まではノミネーションのフロントラインにいなかった彼女が、あのエイミー・アダムスを押しのけて5人目に滑り込んだのは、GGのセシル・B・デミル賞受賞スピーチが素晴らしかったと言う理由のみによるもの(私見)。つーかあの年エイミー・アダムスがノミネートされないって本当にどうかしてるってことは、「メッセージ」を見た人なら誰でもわかると思うんだけど、そんなおかしな結果に影響しちゃうような、そういう副作用(?)的な影響があるのがGGの授賞式なわけです。「注目を集める」と言う露出的な意味合いや宣伝面での影響が大きいこの賞なので、やはりここでノミネートされた小さな映画たち、とくにこれから公開を待つ作品(ニコール・キッドマン=デストロイヤーなんかがそれ)にとっては、今回のノミネートはかなり追い風になるよなあ。
とは言いつつも、一番大事なのはやはり、投票権を持つ人たちが何を支持するかです。少しずつ発表され始めた前哨戦の結果を見る限り、今年はかなり混戦模様。まだまだどうなるか分かりません。今後の動きで一番注目は、来週水曜日12日に発表になるSAG(全米俳優協会)のノミネーションで、そこで誰が残って誰が振り落されるのか。その結果いかんでは、イーサン・ホークもトニ・コレットも、まだまだ無視できない存在になるわけで、いや~~~~~、ドキドキは続くわけです。
2018年11月12日月曜日
ドキュメンタリー豊作の年に、評価の低いマイケル・ムーア
今年はなぜか、ドキュメンタリーのヒットが続いている。女性最高裁判事を描いたRBG、生まれたばかりの時に里子に出された三つ子の人生を描いたThree Identical Strangers, フリークライミングで見ていてくらくらすると噂のFree Solo、とにかく候補になりそうなドキュメンタリーが目白押し。年代的にドンピシャな私に響くケヴィン・マクドナルド監督Whitney はホイットニー・ヒューストンの家族の全面協力のもと作られた作品で、これまたかなり出来がいいとのうわさ。とにかく見ごたえありそうな、注目ドキュメンタリーがものすごくたくさんある中、元祖ドキュメンタリーの巨匠マイケル・ムーアの「華氏119」を見てきた。
正直、私はムーアがあんまり好きではない。史上最高額の興収をたたき出した「華氏911」は、時流に乗って調子に乗りすぎるムーアが感じられて、正直引いた。カンヌでパルムドールを獲った直後、ニースの空港でたまたまムーアを見たけど、自分は白けていたことを思い出す。自己主張が強くて、偏りきっていて、メディアをうまく使って見ている者を操るムーアは、私にはちょっとトゥーマッチで、どうしても好きになれない監督だ。そんなわけで今回の「華氏119」は、私にとっては見る理由がない映画で、ああまた偏った政治主張を繰り広げるいつもの映画を作ったんだな、くらいにしか思っていなかった。劇場で見るつもりはさらさらなかった。
そんな中、仕事の流れでギャガにもらっちゃったムビチケ。貰っちゃったら見ないと失礼だからね。とりあえず見ることにしました。日曜日のシャンテ。16時10分の回。入りは半分以下くらいかな~。入ってませんでした。まだ2週目始まったばかりなのにね。まあそうだよね。マイケル・ムーアのいつものドキュメンタリー、私だって見る気なかったし、みんな見ようと思わないよね。
でも今回は違ったんです。いつもの有り余る怒りとか、調子に乗ってる感じとか、シニカルになんでもパロディにするところとか、あるにはあるんだけど、私はそれよりも、なんだか悲壮感みたいなのを強く感じたんだよね。今回のテーマ、選挙とトランプ批判についてのものだとばかり思っていたんだけど、実際に見たらそうじゃなくて。描かれていたのは、現在のアメリカを作り出したのはアメリカ国民そのものだということと、悪いのはトランプだけではなくて、オバマ政権下でじわじわと大きくなっていった国民や政治家の無関心ということ。政党と関係なく、既存のルールに甘んじている古い体質の政治家が国民を不幸にしていて、その中で声を上げる持たざる者たちもちゃんといるんだということが、絶望感にも似た悲しみと共に叫ばれている気がして、私は今までのムーア作品の中で一番感動してしまったのでした。
作品の中心になっているのは、ムーア自身の故郷ミシガン州フリント。このフリントが、そこに住んでいる市民が、国家によってまるでモルモットのように扱われているエピソードが紹介される。フリントと関係のない私たちにすら衝撃的なのに、ここ出身のムーアにとってはどれだけ辛いことだっただろう。今回の作品は、この10年の彼の作品のどれよりも、私にはパーソナルに感じられ、ムーアの真剣な祈りが伝わってきたように感じたのでした。
作品の中には、先日中間選挙で下院議員に初当選した女性議員の数人が出てきて、そこのくだりには、見ている私たちも勇気と希望をもらえる。作品の中には本当にいろいろな問題やテーマが盛りだくさんで、詰め込みすぎな感や長すぎる感は否めない。でも、その不完全な感じも含めて、私にはリアルな叫びに感じられ、今までの出来の良いムーア作品よりも、心に訴えるものがあったと思う。
アカデミーも観客も、マイケル・ムーアに食傷気味な感じがあるのは確かだと思う。特にドキュメンタリーが豊作な今年、この作品は5本の一本に選ばれないかも知れない。でも、この作品を見た人は皆、たぶん政治について、差別について、目指すべき社会について、いろいろ考えると思うし、心を打たれると思う。あんまりお客さんは入ってなかったけど、今回こそもっとたくさんの人が、見てくれると良いなと思う。
正直、私はムーアがあんまり好きではない。史上最高額の興収をたたき出した「華氏911」は、時流に乗って調子に乗りすぎるムーアが感じられて、正直引いた。カンヌでパルムドールを獲った直後、ニースの空港でたまたまムーアを見たけど、自分は白けていたことを思い出す。自己主張が強くて、偏りきっていて、メディアをうまく使って見ている者を操るムーアは、私にはちょっとトゥーマッチで、どうしても好きになれない監督だ。そんなわけで今回の「華氏119」は、私にとっては見る理由がない映画で、ああまた偏った政治主張を繰り広げるいつもの映画を作ったんだな、くらいにしか思っていなかった。劇場で見るつもりはさらさらなかった。
そんな中、仕事の流れでギャガにもらっちゃったムビチケ。貰っちゃったら見ないと失礼だからね。とりあえず見ることにしました。日曜日のシャンテ。16時10分の回。入りは半分以下くらいかな~。入ってませんでした。まだ2週目始まったばかりなのにね。まあそうだよね。マイケル・ムーアのいつものドキュメンタリー、私だって見る気なかったし、みんな見ようと思わないよね。
でも今回は違ったんです。いつもの有り余る怒りとか、調子に乗ってる感じとか、シニカルになんでもパロディにするところとか、あるにはあるんだけど、私はそれよりも、なんだか悲壮感みたいなのを強く感じたんだよね。今回のテーマ、選挙とトランプ批判についてのものだとばかり思っていたんだけど、実際に見たらそうじゃなくて。描かれていたのは、現在のアメリカを作り出したのはアメリカ国民そのものだということと、悪いのはトランプだけではなくて、オバマ政権下でじわじわと大きくなっていった国民や政治家の無関心ということ。政党と関係なく、既存のルールに甘んじている古い体質の政治家が国民を不幸にしていて、その中で声を上げる持たざる者たちもちゃんといるんだということが、絶望感にも似た悲しみと共に叫ばれている気がして、私は今までのムーア作品の中で一番感動してしまったのでした。
作品の中心になっているのは、ムーア自身の故郷ミシガン州フリント。このフリントが、そこに住んでいる市民が、国家によってまるでモルモットのように扱われているエピソードが紹介される。フリントと関係のない私たちにすら衝撃的なのに、ここ出身のムーアにとってはどれだけ辛いことだっただろう。今回の作品は、この10年の彼の作品のどれよりも、私にはパーソナルに感じられ、ムーアの真剣な祈りが伝わってきたように感じたのでした。
作品の中には、先日中間選挙で下院議員に初当選した女性議員の数人が出てきて、そこのくだりには、見ている私たちも勇気と希望をもらえる。作品の中には本当にいろいろな問題やテーマが盛りだくさんで、詰め込みすぎな感や長すぎる感は否めない。でも、その不完全な感じも含めて、私にはリアルな叫びに感じられ、今までの出来の良いムーア作品よりも、心に訴えるものがあったと思う。
アカデミーも観客も、マイケル・ムーアに食傷気味な感じがあるのは確かだと思う。特にドキュメンタリーが豊作な今年、この作品は5本の一本に選ばれないかも知れない。でも、この作品を見た人は皆、たぶん政治について、差別について、目指すべき社会について、いろいろ考えると思うし、心を打たれると思う。あんまりお客さんは入ってなかったけど、今回こそもっとたくさんの人が、見てくれると良いなと思う。
2018年11月9日金曜日
Netflix が許せない
今年もとうとうやってきました。オスカー前哨戦前夜。今年は11月末にすでにNBR発表らしいです。オスカー自体が2月末だからかな。2020年のオスカーは2月初めになるらしいから、来年はもっと早いのねと思うとなんだか、もうどうしていいのかわかりません。
さて、今年のオスカーで有力候補の筆頭に挙げられている作品に、アルフォンソ・キュアロンのROMAがありますが、こちらネットフリックス制作です。去年のMudboundしかり、ネットフリックスがお金を出して、素晴らしいクリエーターたちが思うように映画を作ることに関しては、素晴らしいと思います。ROMAはネットフリックスの方針をあえて変更し、ちゃんとした劇場公開もするらしいし。今後もそうなってほしいものです。
で、ネットフリックスが映画業界に貢献している部分については否定する気もないし、Stranger Things とかOITNBとか面白いテレビシリーズを作っていることも素晴らしいと思う。ただ、私にはどうしても許せない、納得できないことがあるんです。それは、どの映画を見てても、クレジットが始まった瞬間画面が切り替わり、次の作品の宣伝が映ること。
映画は、作る人、演じる人があって初めて出来上がるものです。クレジットを最後まで見ない人がいることはわかりますが、見ない行為はオプションであって、デフォルトはやはりクレジットを見せるべきだと私は思います。この素晴らしい作品のあの役を演じていた俳優の名前はなんだろう?と、楽しみにみていると、突然クレジットが左上の小窓に収められ、私たちは一気に現実世界へと引き戻される。この、映画ファンを愚弄するような行為が私には耐えられないのです。
ネットフリックスは映画会社ではなく、あくまでIT企業です。普段はそんなこと思わないんだけど、こういう瞬間に私はいつも、この事実を思い知らされます。日本の視聴者をもっと取り込みたいなら、ネットフリックスはローカルのオリジナル番組を作るために躍起になるのではなく、映画ファンを大事にする施策を講じてみてはいかがでしょうか。
さて、今年のオスカーで有力候補の筆頭に挙げられている作品に、アルフォンソ・キュアロンのROMAがありますが、こちらネットフリックス制作です。去年のMudboundしかり、ネットフリックスがお金を出して、素晴らしいクリエーターたちが思うように映画を作ることに関しては、素晴らしいと思います。ROMAはネットフリックスの方針をあえて変更し、ちゃんとした劇場公開もするらしいし。今後もそうなってほしいものです。
で、ネットフリックスが映画業界に貢献している部分については否定する気もないし、Stranger Things とかOITNBとか面白いテレビシリーズを作っていることも素晴らしいと思う。ただ、私にはどうしても許せない、納得できないことがあるんです。それは、どの映画を見てても、クレジットが始まった瞬間画面が切り替わり、次の作品の宣伝が映ること。
映画は、作る人、演じる人があって初めて出来上がるものです。クレジットを最後まで見ない人がいることはわかりますが、見ない行為はオプションであって、デフォルトはやはりクレジットを見せるべきだと私は思います。この素晴らしい作品のあの役を演じていた俳優の名前はなんだろう?と、楽しみにみていると、突然クレジットが左上の小窓に収められ、私たちは一気に現実世界へと引き戻される。この、映画ファンを愚弄するような行為が私には耐えられないのです。
ネットフリックスは映画会社ではなく、あくまでIT企業です。普段はそんなこと思わないんだけど、こういう瞬間に私はいつも、この事実を思い知らされます。日本の視聴者をもっと取り込みたいなら、ネットフリックスはローカルのオリジナル番組を作るために躍起になるのではなく、映画ファンを大事にする施策を講じてみてはいかがでしょうか。
2018年10月12日金曜日
91回目のオスカー、ウォームアップの時期到来
オスカー前哨戦の季節になって参りました。本当は、町山さんがトロント報告をぶちかますTokyo Cinema Show の前に一言書いておくべきなんだろうけど、いかんせん怠惰で間に合わず。すみません。
今年はどうやら質的に結構高い年のようで、ベネチアで金獅子を獲ったキュアロンの新作ROMA、相当話題になってます。チャゼルもバリー・ジェンキンスも新作あるし、久々のスティーブ・マックイーン(生きてる方)もトロントで話題になっておりました。個人的には全然興味のない「アリー スター誕生」とかも出来がいいらしく、ゴールデングローブには絡んでくるでしょうね。そんな中で、すこぶる評判が良いのは、”あの”ファレリー兄弟の片方ピーター・ファレリーが撮ったGreen Book。こちら、当確のにおいがします。なんだかめっちゃいい映画らしいよ。
がしかし、私が一番見たくて、今回のオスカーでがつんと絡んできてほしい一番の作品は、「女王陛下のお気に入り」。われらがヨルゴス・ランティモスの新作です。皆さんはヨルゴス、ご存じでしょうか。「籠の中の乙女」という、狂ってるけど秀逸なものすごくオリジナルな作品の監督です。ヨルゴスは数年前に、「ロブスター」でオスカーの脚本賞にもノミネートされました。今回は、満を持して本線に絡んでくる予定です。もう、ヨルゴス本人を見るのが楽しみでしょうがない。ヨルゴスもいつの間にか、かなり市民権を得たようで、今回の作品にはエマ・ストーンなんかも出ています。私の大好きなレイチェル・ワイズも出ていて、まあとにかく絶対面白そうなのよ。もう見たくて見たくてしょうがない。でも内容はよく知りません。
こちらの「女王陛下のお気に入り」は、重要な役者がみんな女性のようで、ヴェネチアでも最優秀女優賞を獲ったりしてたので、きっとこの中から何人かが、主演や助演でノミネートされるのでしょう。GaGaなんかより、よっぽど見たいよね、本当の女優達。今年の主演女優賞で、もう一人注目なのが、「天才作家の妻」のグレン・クロースです。もはや説明も要らない名女優ですから、ノミネートは確実なんじゃないかと期待しておりますが、彼女はまだ一度もオスカーを獲ったことがないのです。ノミネートは6回もされてるのに。グレンと言えば、私的には「危険な関係」。情事ではなく関係の方の彼女が大好きです。80年代から90年代に黄金期を迎えていた彼女は、アカデミー賞の常連でしたが、最近はすっかりなりを潜めてしまっていたので、今回は久々に会場で彼女を見たい。名女優ですよ。ハリウッドの宝です。アホみたいに会員数を増やしちゃったアカデミーが、昔の名女優に投票するかどうかは未知数ですが、グレンのオーラが会場を黙らせることを、私は今から期待してます。ちなみにこちらの作品見ましたが、彼女は本当に素晴らしいです。
ところで、今年の外国語映画賞、メキシコ(ROMA)もポーランド(COLD WAR)も5本選定確実だと思うんだけど、こちらの2本、白黒なのよね。チャン・イーモウのShadowsまでノミネートされたらどうしようと思ってたけど、これは残念ながら中国代表には選ばれず。是枝さんの万引きは5本の一本に入る可能性はあるのかもだけど、正直獲るとは思えないわ。
なんだかとりとめもない内容で結構長くなってしまったので、今日のところはこれくらいでやめておきますが、これからが本番。楽しい季節の到来です。
2018年7月19日木曜日
カメラを止めるなを止めるな!
今年もあっという間に半分が終わってしまいました。終わってすでに18日も過ぎちゃったけど。半分終わったということは、オスカーシーズンのウォームアップを意味します。昨日今年のベネチアのオープニングはダミアン・チャゼルの新作だってニュースが出てたけど、すなわち一つ目のオスカー候補のお披露目が決まったってわけね。
あいにくこの夏はベネチアに行かずに秋を迎えそうですが、トロントには行くつもり。オスカー候補が何本見られるかしらと思いつつ、それより今の私は先週末に見たオスカーとは無縁の作品で頭がいっぱい。そう、巷で話題の「カメラを止めるな!」です。
この映画、友人に誘われて二人で見に行ったんだけど、正直なんも知らなくて。ただ、業界紙で「毎日満席」っていうニュースは流れてて、知り合いなんかも見に行ったっていうツイートしてて、話題になっていることだけはうっすら知っていた。でもそもそも邦画はほとんど見ない私なので、本当に作品の情報は知らなかったさ。
オンライン予約ができない池袋シネマロサに着いたのは上映2時間前。すでにほとんどの席が埋まっていて、結局この回も満席でした。作品が始まってしばらくは、「あ~、いろいろ趣向を凝らした自主映画なのね。でも穴だらけ」なんて思って見ておりました。後半でそれが全然違う展開を見せるとはつゆ知らず。。。
相当数の外国映画の脚本を読んできた私だけど、この作品の脚本のすばらしさには脱帽でした。伏線の回収の見事さだけじゃなくて、自主映画でしか成り立たないこのだましというか映画の成り立ち。300万の製作費で作ったとは思えない完成度の高さと、300万で作ったからこそ成立するこの作品のアイディア。これ、有名監督が思いついたとしても、有名人で作ったら同じ作品にはなりえないんだよね。それが素晴らしい。こういう映画こそ、作って当てた時の喜びはひとしおなんだろうなぁ、と、ちょっとうらやましくなりました。
劇場内は、見ている間は爆笑の渦で、終わった後には自然と拍手が起きて、私はとっても幸せな気分になりました。映画人としては、勢いのある良い作品を見ることほどうれしいことはない。こんな映画が生まれる日本の映画業界、捨てたもんじゃないね。
あいにくこの夏はベネチアに行かずに秋を迎えそうですが、トロントには行くつもり。オスカー候補が何本見られるかしらと思いつつ、それより今の私は先週末に見たオスカーとは無縁の作品で頭がいっぱい。そう、巷で話題の「カメラを止めるな!」です。
この映画、友人に誘われて二人で見に行ったんだけど、正直なんも知らなくて。ただ、業界紙で「毎日満席」っていうニュースは流れてて、知り合いなんかも見に行ったっていうツイートしてて、話題になっていることだけはうっすら知っていた。でもそもそも邦画はほとんど見ない私なので、本当に作品の情報は知らなかったさ。
オンライン予約ができない池袋シネマロサに着いたのは上映2時間前。すでにほとんどの席が埋まっていて、結局この回も満席でした。作品が始まってしばらくは、「あ~、いろいろ趣向を凝らした自主映画なのね。でも穴だらけ」なんて思って見ておりました。後半でそれが全然違う展開を見せるとはつゆ知らず。。。
相当数の外国映画の脚本を読んできた私だけど、この作品の脚本のすばらしさには脱帽でした。伏線の回収の見事さだけじゃなくて、自主映画でしか成り立たないこのだましというか映画の成り立ち。300万の製作費で作ったとは思えない完成度の高さと、300万で作ったからこそ成立するこの作品のアイディア。これ、有名監督が思いついたとしても、有名人で作ったら同じ作品にはなりえないんだよね。それが素晴らしい。こういう映画こそ、作って当てた時の喜びはひとしおなんだろうなぁ、と、ちょっとうらやましくなりました。
劇場内は、見ている間は爆笑の渦で、終わった後には自然と拍手が起きて、私はとっても幸せな気分になりました。映画人としては、勢いのある良い作品を見ることほどうれしいことはない。こんな映画が生まれる日本の映画業界、捨てたもんじゃないね。
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