2018年3月11日日曜日

90回目の授賞式で思ったこと

昨晩宇多丸さんのところで今年のオスカーの総括をし、とりあえず2017年度のレースが一段落しました。1月から本当に楽しい2か月でした。

今回の授賞式の感想は、結果的にセクハラ騒動の影はだいぶ薄まって、政治的とは言え友好的な式になったな、と。女性の権利とかセクハラ、レイプに関する被害者意識の訴えよりも、もっと広い意味での差別撤廃とかダイバーシティが注目され、「シェイプ」と「リメンバーミー」の複数受賞+世界一イケてる婆さんに違いないリタ・モレノの登場+チリの「ナチュラル・ウーマン」の受賞なんかで、Viva Mexico! Viva Latin! という印象が強く残りました。人種、異文化ってだけじゃなく、作品賞の主役は聾唖であり相手は異星人?と、ダイバーシティ以外の何物でもない。ある意味、時代を良く映した受賞結果だと思います。

デルトロは本当に皆さんに好かれている素敵な人のようで、彼の受賞にみんながハッピー、というのがとても印象的でした。スリーアミーゴズの中で一番年下、最後の受賞になったけど、3人全員が5年以内に立て続けに監督賞を受賞することになるなんて、本当に素敵な話です。デルトロのような、生粋のジャンル映画監督が、ジャンル映画で作品賞を獲る日が来るなんて、私は全く想像できなかったけど、これが90年を迎えた新しいオスカーなんだなと、ポジティブな変化と思います。80年代のリドリー・スコットとかスピルバーグがちょっと不憫だけど、時代というのはこうして変化していくものなのですね。

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